スマホからガラケーへ逆戻り?頭脳明晰ではないが賢い携帯

2022年4月30日 (土) 23:55

ガラケー今回の記事は、以前に書いたソーシャルメディアのBeRealやSignalに通じるものがあるかもしれません。

2007年に世界初のiPhoneが発売され、日本でも2008年に発売が開始されました。私は新しもの好きではあるものの、同時に慎重でもあるのでいきなり飛びつくことはせず、ある程度のレビューがそろってから導入するタイプです。

それでも2010年にAUのISシリーズでマイクロソフトOSのを購入し、バッテリーが1日も持たない、品質が悪い等さんざんショップにクレームを言った記憶があります。

iPhoneはソフトバンクの専売で友人が使っていたのですが、キャリアのメールが使えず、Gメールなどのウェブメールで代替えをするのが嫌だったので踏み切れなかったという理由もありました。今日のSNS全盛のことを考えればどうでもいい理由です

メールなんて社内文書やビジネスでしか使わず、しかもキャリアのメールなんてが使うっていうくらいパソコンやウェブメールに限定され、代わりにLINEを始めとするソーシャルメディア、メッセージングアプリの時代になりました。

スマホが普及し始めた頃は、2台持ちという言葉がよく聞かれていましたが、それまでも一般に仕事用とプライベート用をわけて使っている人はいました。しかしスマホが電話としては使いづらく、ネット専用にしてで電話する、という理由で使うような人も増えたのです。

そして現在では2台持ちならぬ1台持ちで、しかもガラケー(dumbphones/まぬけな電話/低性能の/電話)だけ使う、という人が増えているようなのです。

というのも現在、TikTokやInstagramなどのソーシャルメディアを四六時中使う代わりに、「ダムフォン」と呼ばれる前世代の携帯電話を使う人が増えています。

これは基本的な携帯電話、言ってしまえば機能限定型の携帯電話で、一般のスマートフォンと比較すると通話とSMSのテキストメッセージの送受信しかできません。中にはラジオを聴く、簡単な写真撮影ができるものもありますが、ネット接続やアプリの利用はできません。

ショルダー型の携帯電話が小型化し、安くなって一般に普及してきた1990年代後半に買った携帯電話に類似しています。

海外の事例ですが、ある人は機種変更の際に中古品でいいものがないかと物色中に、昔の携帯電話のやすさにひかれて衝動買いした人もいます。スマホの機能がないのでデータ通信の定額費用もかかりません。通話料とメールの送受信の料金のみです。彼女によれば、スマホ依存がひどかった、という。

多くのアプリに自分の生活が侵されて、仕事の能率も悪かったそうです。彼女は、もうスマートフォンを買うことはないだろうと付け加えています。
「私は自分のブリックに満足しています。私は間違いなく、より積極的です。」

ダムフォンは、再注目のムーブメントの中需要を伸ばしています。ソフトウェア会社SEMrushのレポートによると、2018年から2021年にかけて、Googleの検索数は89%も跳ね上がったそうです。正確な販売台数を算出するのは難しいですが、あるレポートによると、世界のダムフォンの購入台数は、2019年の4億台から、昨年は10億台に達する予定だという。

これは、2020年の12.5%減に続き、昨年の全世界のスマートフォン販売台数が14億台であったことと比較すると、その差は歴然としています。

一方、会計士グループDeloitteの2021年の調査では、英国では携帯電話ユーザーの10人に1人がダムフォンを持っているという。最近ではTikTokの動画に登場したり、その見た目や懐かしさが需要増加に一役かっている、と価格比較サイトUswitch.comの携帯電話専門家、ErnestDoku氏は述べています。

初めて買った携帯電話が「ダムフォン」なので、懐かしさを感じるのは当然です。Doku氏によると、再注目されるきっかけになったのは、2000年に発売され、史上最も売れた携帯電話の一つである、Nokiaの3310ハンドセットの2017年の再販だったという。

「ノキアは、ハイスペックな携帯電話があふれる世界で、3310を手頃な選択肢として押し出したのです。」
彼いわく、ダムフォンは性能や機能に関しては最新のスマホに劣るが、重要な要素であるバッテリーの寿命や耐久性ではスマホをしのぐそうです。バッテリーの寿命や耐久性以外にも、利点はあります。

Facebookやその他のアプリでリアルタイムで流れるニュース速報など、現代人はとかく携帯電話に貼り付きがちです。支配されている、と言っても過言ではないかもしれません。しかし多くの場合、なんとなく使っている、という人が多いのも事実。思い切って切り捨てることで、変なしがらみから開放され、家族や大切な人、友人のための時間を取り戻せます。

ただし、慣れ親しんだ習慣をいきなり変えるのは難しいかもしれません。今まではリアルアイムで調べられるので、電車の時間やレストランの予約など直前にしていたことを、事前にやらなければならないからです。しかし、習慣とは恐ろしいものです。慣れてしまった、とポーランド在住のOlejniczak氏はいいます。

ダムフォンのメーカーに、ニューヨークのLightPhone社がある。この種の製品としてはやや高性能の部類に入るが、同社の端末では音楽やポッドキャストを聴けて、ブルートゥースでヘッドホンに接続できる。しかし、同社は「ソーシャルメディア、クリックベイトニュース、電子メール、インターネットブラウザー、その他の不安をあおるような無限のフィードは一切搭載しない」ことを宣言している。

同社によると、2021年の業績は最も好調で、売上高は2020年比で150%増を記録したという。同社の端末は、価格が99ドル(75ポンド)からと、ダムフォンとしては高価であるにもかかわらず、である。LightPhoneの共同設立者であるKaiweiTangによると、このデバイスは当初、例えば週末にスマートフォンを休みたい人のための、2台めの電話として作られた。しかし今では同社の顧客の半数がこれをメインデバイスとして使用しているという。

そして驚くべきは顧客の大部分は20~35歳だそうだ。

SNSに疲れ、よりシンプルな携帯電話を求める人に年齢は関係ないのだろう。スマートフォン=賢い電話、ですが、もはや電話というよりエンタメであり情報端末です。ニュースやさまざまなナビゲーション、日記で辞書、そして財布でさえあります。スマートフォンは常にさまざまな通知やアップデートであなたの注意を引いて時間を奪います。

そういえば、買ったばかりのスマホはポータブル充電器とモバイルバッテリーを持ち歩かないとすぐにバッテリーが切れていた、というのは前述しました。当時は今より明らかに電話の頻度が高くて、消費電力が多かったというのもありますが、ガラケーは未使用で2~3日はバッテリーの寿命がありました。

結局、スマホが現れる前の機能限定型携帯、という位置づけでしょうか。そう考えれば、「burner phones」という通称で呼ばれる携帯も、トランプ前大統領が使っていたとされる携帯で話題になっています。あれはガラケーのプリペイド版なんでしょうか。

定額無制限が一般化している携帯料金ですが、極端に利用が少ない場合に一定の無料通話があり、超過した分を支払うシステムはあります。コンビニで販売していたプリペイド携帯のことなんでしょうね。私は個人的に、社交的で交友関係がものすごく広い、というわけではありません。

SNSに毒されているとまでは言えないのかもしれませんが、たしかにSNSやYou Tubeなどの動画を見ている時間を削除すれば、かなりの時間が捻出できるかもしれません。

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