本物志向SNS、BeRealとは?FacebookやInstagram超え?

BeRealもやってるしもやっている、ではというをご存知だろうか?今までのSNSとはその目的も機能も一線を画した全く新しいSNSなのだ。BeRealというアプリの名前をあなたは初めて聞いたかもしれません。実を言うと私もこれを書くまで知りませんでした。しかしこのアプリ、若者を中心に多くのユーザーが参加していて、今年だけで315%も増加しています。

では、BeRealとはいったいどんなアプリなのか?

ありのままの自分の生活の一部、人生の一コマを共有できるアプリです。2020年にフランスの起業家によって作られましたが、その少なくとも65%は今年に入ってから参加しているユーザーです。名前の通り、ありのまま、真実にフォーカスしています。ユーザーは1日に1度、その時何をしているのか?という写真をアップして共有するように促されます。その結果友人やその他の仲間たちは、ユーザーの加工されていない、ありのままの生活の一部を垣間見ることができます。

フィルターもなければ編集ボタンもありません。ですからその時、寝起きですっぴんだろうが寝癖がついていようが、あなたが観ている光景がただの雨の日の駐車場でも、それがユーザーが見るものです。その結果他の人気のSNSとは違い、洗練されて過度に選びぬかれたものとは一線を画すものになっています。

BeRealにはどんな機能があるのか?

その機能はシンプルです。ダウンロードして1日に1回通知を受け取る。そして2分以内にあなたが何をしているのかを、写真を撮って投稿する。どこにいてなにをしているかは関係ありません。他のSNSのようにシチュエーションを設定する暇はありません。通知は毎日ランダムにに送られてきます。それが一層ミステリアスなんです。

「通知は毎日1回、違った時間に世界中に同時に送信されます。どんな方法で時間を選んでいるかは秘密ですが、ランダムではありません。」と同社は声明で話している。

つまり、あなたの生活のなかで、どんな時間でもオープンにする(される)可能性があることを意味しています。その時アプリは、あなたが何をしているのかを撮影してアップするよう促します。自撮りとあなたの正面にあるもの(見ているもの)を二重に撮りますが、現在動画はサポートされていません。

その結果、ほとんど毎日人々がやっている何の変哲もない事柄、例えば夕食のためにレンチンしていたり、バスに乗ったり宿題したり、風呂上がりにくつろいでいる姿など、まったく編集されていない写真がたくさんつまったフィードが出来上がったのです。1日に1回しか投稿されないので、つい無造作にながらスクロールするようなだらだらした友人の写真の羅列もありません。

自分が写真を共有しないと友人の写真は見れないので、投稿0で見るだけの人”なんちゃってユーザー”を排除できます。リアルな時間で投稿されるので、プライバシー保護の観点から位置情報をオフにしている人もいます。

ジョージタウン大学の学生Ben Telerskiさん(21)は熱心はSNSユーザーで昨年2021年の8月にこのアプリを使い始めました。

「私がこのアプリを好きな理由は、ソーシャルメディアを通じて友人とつながる事ができるからです。毎日通知があったときに写真を投稿するだけなので、いいねを気にすることもないし、人工的なものに手間暇かけることもありません。」と政治学を専攻している大学3年生のTelerskiさんは言う。彼によれば、BeRealは他のソーシャルメディアに比べて、たいていの場合よりだという。

「私はたとえベッドに入った直後でも、学校にいく途中でも、通知があれば可能な限りすぐに投稿するようにしています。」と彼は言う。「信憑性の高さは、ユーザーそれぞれがどの程度SNS上で仮面をつくるか?の量によると思います。もし誰かが、洗練された作り物を投稿し続けようとするなら、このアプリは使うべきではありません。」

確かにインフルエンサー向けではありませんね。友人同士で「何やってんだこいつ?」とか「へー、今~にいるんだ」という純粋な連帯感を感じたい人向けでしょう。

もしBeRealに2分以内に投稿しないとどうなる?

毎日1回BeRealからの通知があり、クリックすると同時にアプリ内蔵のカメラが起動して、2分のカウンドダウンが始まります。あなたの目の前の光景が撮影されると同時に自撮りも撮影されます。2分間で何度も取り直しは可能で、実際に投稿するのは数時間後、数日後でもかまいません。ただ、友人にはどのくらい前の通知の投稿なのかがわかりますので、そうなると気持ちの入り具合がバレます。

なぜ人々はBeRealを使うのか?

これはなんとなくわかるかもしれませんが、普通のSNSに飽きたというか疲れた人。リアルの気の合う仲間とだけで気楽なコミュニケーションをとりたい人。そういう人達が集まっているのかもしれません。BeRealは大学のキャンパス内でマーケティングを行っていて、ユーザーはこのアプリを使って教育関連のイベントを開催することができます。ですからそもそも若い人が多いのは納得です。

そして紹介したBen Telerskiさんは、オンライン上では自分を完璧に見せなくてはいけない、という呪縛の解毒剤としての役割が、BeRealの人気の理由だと思っています。

「ソーシャルメディアがZ世代において、精神衛生上良くない影響を与えるニュース報道を最近よくみています。BeRealが直接そういった問題と対決しようとする姿勢なのかはわかりませんが、その目的のために前進しているのは確かだと思う。」

とも述べています。

 

Morgan Nottさん(26歳)はリノで紅茶専門店を経営しているが、このアプリの初心者である。彼女は先週、友人の勧めで使い始めた。彼女はそれが、他の人々の飾らない生活を垣間見ることができるので爽快だ、と言う。
「それが魅力なんです。他のプラットフォームで描かれるような、華やかさや嘘っぽさがないんです。」

声明の中でBeRealは、その目標は、影響力を集めることに焦点を当てた「中毒性のあるソーシャルネットワークに代わるもの」を作成することであると述べています。
「BeRealは、あなたの本当の姿を友人に見せるチャンスです。」と同社は言う。BeRealはあなたを有名にしません。

「あなたがもしインフルエンサーになりたいなら、TikTokやInstagramを今のまま使っていればいいんです。」

BeRealの投稿は本当に無修正なのか?

このアプリは、投稿する前にあなたがメイクしたり場所を選んだりする時間を与えません。しかし人々の中には自分の環境を精査して状況をつくってアップしようとする人もいます。他のソーシャルメディアと同じように、人々が人工的な投稿へ向かっていく可能性はあります。

通知から投稿までの時間を無視したり、友人とドレスアップして外食するまで投稿を待つ人もいるかもしれません。でもそれはBeRealの精神に反しているし、Netflixを見たり寝る前だったり宿題したり、そういうなんでもない日常であふれるべきです。

CNNが話した若者たちは、Tik TokやInstagramを手放す気はないようです。また、NottさんはBeRealにゆるっとした投稿をしながら他にも投稿し続けるそうです。Telerskiさんはどのソーシャルメディアでも、ある程度の真実性を保つようにしています。「本物かどうかは人によって決まる。アプリで決まるわけじゃない。」と彼は言います。

※私見※

極論、本当に極論ですが、ソーシャルメディアは自己顕示欲の塊です。全員多かれ少なかれかまってちゃんです。ただ、そこに価値を見出して追求しすぎると疲れませんか?ありもしない幻想を作り上げるのに疲れたら、素の自分を見てくれる、本来のSNSに戻るのもいいかもしれません。

写真アップするために何回も撮り直しして料理が冷める、とかいい例ですね。個人的には絶対やらんけど。

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