ロシア兵の虐殺理由はウクライナ人の裕福さと自国の所得格差からの嫉妬?
ブチャでの虐殺をみて、なぜこんな事が起きるんだろう?と考えました。
専門家がいろんな意見をウェブ上でも話していましたが、今回はその理由に関連する記事です。略奪の記事は前回書きましたが、「略奪」や「虐殺」はなぜ起きたのか?というところでまとめサイトで虐殺の理由は嫉妬?という驚くようなツイートをみつけたので、ロシアにおける所得とその格差について書いています。
虐殺のあったキーウで生き延びたウクライナ人男性の証言
「特に残虐だった隊のロシア兵は『どうして各家庭にパソコンや電子レンジがあるんだ、どうしてこんなに良い生活をしているんだ』と怒っていた。貧困に喘ぐウクライナに行けば解放者として歓迎されると信じ込まされていたのだろう」#報道特集— にのうらさとこ🌻 (@ameayunon) April 9, 2022
ロシアにおける所得格差の拡大
2015年、ロシアでは111人が全世帯の富の19%を支配していた。ロシアの富と所得の格差は近年急激に拡大し、米国を上回っている。歴史的に見ると、ロシアの所得格差は変動してきた。ロシア皇帝時代の末期には、上位10%の所得者が国民所得の約45~50%を稼いでいた。ソ連時代には20〜15%程度まで低下した。しかし、ソビエト連邦崩壊後の1990年には45〜50%にまで回復している。
帝政時代はそうなるでしょうね。搾取して皇帝や王家、そして一部の上流階級の貴族や大商人が富を独占している、いわゆる革命前夜ですね。ソ連の社会主義は富の分配ですから理想に燃えた初期は格差も低くなったんでしょう。
しかし独裁政権ですから腐敗が進みます。結局帝政と同じくらいまで復活。で、ロシア共和国になって多少の民主化?と経済の資本主義化?がすすんで格差は減ったと考えられますが、しかし比べる対象が異常ですからね。また、プーチンの豪邸や信じられない資産を考えると、歴史は繰り返す、という事なんでしょう。
ロシアにおける所得格差
最近、ロシアでは所得格差が拡大し、上位1%の所得者の合計所得が国民所得の20〜25%にも達するようになった。これは、上位1%の所得分配率が10〜14%程度である東欧諸国と比べると、比較にならないほど高い水準である。
ソビエト連邦崩壊後、社会経済的階層は中国を含む他の旧社会主義経済を凌駕している。富の不平等はさらに激しく、ロシア人の最も裕福な10パーセントが国の富の87パーセントを所有しており、世界の主要な経済国の中で最も不平等な国となっている。
では、日本の場合はどうだろうか?参考になるのはWorld Inequality Databaseで、2007年に24.9%でそこから2009年には24.3%まで下がるものの再度上昇し、2021年まで24.5%で横ばい状態です。上位10%となると57.8%前後で同じように推移しています。
数字だけをみると日本も同じように格差が大きく、富裕層に富が集中しているのはわかります。それでも低所得者への補助、保護が北欧ほどではないにしても、保険やその他の援助で、格差はあるが貧困は減っている。
少なくとも明日食べるご飯や寝る場所もない、というのは、全くないというわけではないが、少ないのではないだろうか。
所得格差の原因
1990年以降の共産主義から資本主義への移行が、所得格差拡大の主な原因である。具体的には、住宅が私的富の増加に重要な役割を果たし、1990年には国民所得の50%未満だったものが、2015年には国民所得の200%に増加した。これは、住宅の民営化と不動産価格の上昇に起因する。こうした住宅価格の変動は、国民の大部分にとって家賃を大幅に上昇させた。彼らの所得は、上昇したコストを考慮しても増加せず、ロシアにおける社会経済的不平等を悪化させた。
また、ロシアの生産資産と資本の大半を支配するオリガルヒの台頭も、所得と富の不平等を深刻化させる一因となった。オリガルヒは政治家と結びつき、政治への足がかりとした。このことが、経済力と相まって、政府や市場の構造に影響を与えることを可能にした。オリガルヒは開発と経済成長に貢献したが、ロシアにおける不平等を拡大させる重要な役割も担っている。ロシアのオリガルヒの政治的・経済的権力は、汚職を可能にする。
オリガルヒは競争を低下させ、課税を回避し、賃金を低く抑えたいと考えている。政治的な影響力があるため、自分たちの利益を促進するような政策を支持することができるのです。これらの利益は、税金と賃金を低く抑え、再分配を妨げ、不平等を拡大させる一方で、彼らの利益を最大化します。
現在、西側諸国の経済制裁の一環で、オリガルヒへの資産凍結等が行われていますが、要するにそういう汚職や政治腐敗がプーチン宮殿を作り出し、独裁=権力と富の集中化がなされているわけですね。
腐敗への抵抗
2017年には、約6万人が約80の都市の路上で不平等に抗議しました。これは人口の大きな割合ではありませんが、現在の社会経済的不平等に対する人々の怒りを示しています。プーチン大統領に反対するロシアの顔であるアレクセイ・ナヴァルニー氏は、これらの反腐敗デモを呼びかけた。
その結果、1,000人以上のデモ参加者が拘束され、ナヴァルニーには30日間の禁固刑が言い渡された。ロシアではデモを怖がる人が多い中、今回の汚職撲滅デモにはかなりの数の若者が参加し、今後の汚職撲滅活動の活発化が期待されています。
ナヴァルニーさんはさらに遡って長い刑を言い渡されていますね。知れば知るほど、ロシアに生まれなくて、日本に生まれて良かったな、と思います。今回の虐殺・略奪は、たしかに都市部の裕福な人達ではなく、若い地方の農村部の兵士だったんでしょうか。
たしかに自分より裕福な家庭(ばっかり)だったら、嫉妬もするかもしれませんが、略奪は駄目でしょう。虐殺なんてもってのほかです。命令違反は殺されるんでしょうか?ちなみに自衛隊には上官の命令には絶対服従、ではなく「良心ある服従」が求められています。

ビジネスに活用できる情報収集のために英語猛勉中です^^英語とPCとネット関連で、日々やっている事や気になった事、忘備録のような感じで投稿していきます。