ウクライナとロシアの危機は、新しい石油価格設定法を模索する原動力、とカタール
カタールの外相はCNBCに対し、ウクライナ危機の経済的影響が顕在化する中、一部の国が原油価格の「並行システム」を検討していると語った。
これは、サウジアラビアが、北京が購入する石油について、ドルの代わりに人民元を受け入れるよう中国と交渉を加速させているというウォールストリート・ジャーナルの報道を受けてのことである。モハメド・ビン・アブドゥルラフマン・アル・ターニーはまた、カタールは「ステップアップ」しており、ガス供給の強化について欧州諸国と協議を行っていると述べた。
Ukraine-Russia crisis is driving countries to explore new ways of pricing oil, Qatar says https://t.co/MtIdUsAnTR
— CNBC International (@CNBCi) March 26, 2022
カタールの外相は、ウクライナ紛争とその地政学的な影響により、いくつかの国がドル建てではない新しい石油価格決定方法を模索するよう求められていると述べた。ウォール・ストリート・ジャーナルが報じたところによると、サウジアラビアは中国が購入する石油について、ドルの代わりに人民元を受け入れる方向で協議を進めているとのことである。
ドーハ・フォーラムでHadleyGambleに語ったところによると、アル・ターニは、このようなシステムが近いうちに導入されるとは思っていないとしながらも、ウクライナ戦争の経済的影響がいくつかの国に大きな打撃を与えていることを強調した。
「正直なところ、今起きていること、周りの力学を見てください。ウクライナ・ロシア危機で起きたことやその結果、特に経済的な影響に不満を抱いている国が他にもたくさんあるはずだ」と述べた。
「彼らは、少なくとも経済的なヘッジを行うために、並行システム(原油の価格設定)を検討し、探そうとしている。この移行は、政治的な移行だけでなく、経済的な移行でもあるのです。」
先週、グローバルセキュリティ分析研究所の共同ディレクターであるガル・ルフト氏は、米国の厳しい経済制裁が、石油の価格決定通貨であるドルから国々を引き離す可能性があるとCNBCに語った。制裁には、ロシアの中央銀行準備金の事実上の凍結や、銀行間メッセージングシステムであるSWIFTからのロシアの接続解除が含まれる。
「一方では、右も左も制裁している。一方で、あなたは各国に国債を買わせ、負債をファイナンスすることを望んでいる。これは持続可能なシナリオではありません」とルフトは語った。
※私見※
支払い元建てって事ですよね?要するにSWIFT除外によるロシアへの各国の経済制裁が、今後自国が同じ状況になったときの影響を考えて、外貨がなくても支払いができるように、中国側からアプローチがあったんでしょうか。現在のロシアと同様にSWIFTから除外されても元で支払い可能にって、暴落して紙くず同然になった紙幣で支払いを受けてもどうにもできないと思うんでうけど、なんでなんでしょうか。このあたりは詳しく調べようと思います。
しかしそもそもそうなった場合、石油輸出禁止に世界は動くだろうから、元建てでも関係ないと思うけどね。
石油の多様化
カタールのアルタニ氏はまた、カタールは「ステップアップ」しており、ガス供給の強化について欧州諸国と協議を行っていると述べた。
「我々は、限られた量のガスで、ガス不足に苦しみ始めているヨーロッパのパートナーを助けるために、行動を起こしている」と述べ、ガス契約の大部分は長期契約であるため、変更することはできないと強調した。欧州諸国は、ロシアからのエネルギー供給、特にガスの供給を多様化しようとしている。
国際エネルギー機関(IEA)によると、EUは昨年、ガスの45%をロシアから輸入していた。金曜日に米国は、今年中に少なくとも150億立方メートルの液化天然ガスをヨーロッパに供給することを検討しており、その量は今後さらに増加すると述べた。
しかし、アル・ターニは、あるエネルギー供給者が他の供給者を代替することはできないと述べた。「今後の最善の方法は、供給源を多様化することだと思う」とも述べた。「これが唯一の方法だろう。我々は今、他の多くのヨーロッパ諸国と、新たな長期契約について話し合っているところだ。そして、この話し合いは現在も続いている。
※私見※
アメリカがロシアの代わりにヨーロッパにエネルギーを供給出来たとしても、全く同じようには出来ないでしょうね。価格も変わるだろうし、アメリカの国内事情で量が減ったりするかもしれない。いずれにしてもリスクヘッジは大事なことで、どこか1国に依存する事の危険性があるのは確かですね。
基軸通貨にしても、第二次大戦まではポンドでしたが、戦後は強大な経済力と軍事力を背景にドルがとってかわりました。その後、1971年の金兌換停止や1995年の急激なドル安を受けて、ヨーロッパのユーロやアジアの円をふまえた三極通貨体制が議論された事もあります。しかし、依然としてドルが力を持っている状況です。

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