ロシア、ウクライナ侵攻だけでなくフィンランド国境に軍を配備?NATO加盟への警告か
未確認の動画ですが、ロシアとフィンランドの国境でロシア軍の軍事車両が移動しておりミサイルのようなものも見られます。
最低2台のロシア軍車両がフィンランドとの国境に向かっているこの動画はOSINTdefenderのユーザーがTwitterで公開したものですが、車両はK-300PBastion-P(沿岸防衛ミサイルシステム)のように見えます。43秒の動画の終盤では、撮影者が「証拠に」と考えたのでしょうか、映された道路標識にはフィンランドの首都ヘルシンキへの進行方向と道順が示されています。
アップロード後、この映像は465,600回再生され、コメント欄には、ロシアのプロパガンダの一環では?との声もあります。この映像は、ロシアが西側諸国へNATO加盟に対して警告を発したわずか数時間後にSNSにアップされ、共有されました。
There are Unconfirmed reports today that Russian Forces in the Leningrad Region near the City of Vyborg are beginning to move Heavy Military Equipment including K-300P Bastion Coastal Defense Missile Systems towards the Gulf of Finland and the Finnish Border. pic.twitter.com/UUtq5GQ5ej
— OSINTdefender (@sentdefender) April 11, 2022
TheTimesofLondonが引用した米政府関係者によると、フィンランドは早ければ今夏にもNATOへの加盟を目指すという。
エストニアと英国の当局者は以前、ニューズウィーク誌に対し、この報道は正確であると語った。エストニア当局者によると、スウェーデンとフィンランドは先週、NATOの会合に参加している。
1917年12月にロシアから独立したフィンランドは、冷戦中でさえ、NATO加盟には反対のスタンスを貫いてきた。
冬戦争・継続戦争の経験から、なるべくソ連を刺激せず、自国内でのソ連に批判的な言論を自ら統制してまで、ロシアと衝突をさけ、東西どちらの陣営に入ることなく独立・中立を勝ち取り守ってきた。
しかし、ロシアがNATO非加盟国のウクライナに侵攻したことで、フィンランドと近隣のスウェーデンは、いままでと同じ中立的なスタンスでは国家の主権を保てないのでは?と考えざるを得なくなった。近年、NATO加盟の機運は高まっては来ていたが、過半数に達する事はなかった。今回の侵攻が決定だとなったのだ。
核を放棄し、NATO非加盟で同盟国のないウクライナが攻め込まれたのだ。他人事ではない。フィンランドは同じようにロシアと国境を接していて、なにより侵略された過去がある。
クレムリンは月曜日に反論し、両国に同盟に参加しないよう警告した。クレムリンのドミトリー・ペスコフ報道官は記者団に対し、「われわれは繰り返し、同盟は依然として対立に向けた道具であり、そのさらなる拡大はヨーロッパ大陸に安定をもたらすことはないと言ってきた」と述べた。
この数時間後に動画がアップされたわけです。ニューズウィーク誌は、フィンランドの国家安全保障当局にコメントを求めている。フィンランドのサナ・マリン首相は今月初め、NATO加盟申請の可否決定期限は春まで、述べた。NATOのイェンス・ストルテンベルグ事務総長は今月初め、CNNのダナ・バッシュに対し、同盟に加盟するかどうかは最終的にフィンランド次第だと述べた。
彼はこう言った。
「我々はフィンランドの主権と領土の完全性を尊重し、彼ら自身の将来を決定する。ロシアが尊重していないのはまさにこの点で、彼らは実際に威嚇しようとしており、フィンランドがNATOに加盟すると決めたら、結果が出るだろう」
フィンランドがNATOに加盟すれば、同盟は自国にとって脅威であると述べてきたロシアのプーチン大統領にとって、壮大な失態を意味することになる。
自国の安全保障上の脅威を取り除き、ウクライナのNATO加盟を防ぐ目的の侵攻が、逆にフィンランド・スウェーデン2国のNATO加盟を助長させてしまった。彼は以前、2月24日にウクライナ侵攻開始の正当な理由の一部として、NATOの東方拡張を挙げている。それが裏目に出ているわけだ。
※私見※
フィンランドとスウェーデンがNATOに加われば、ウクライナとは比較にならないくらいロシアにとって脅威です。フィンランドはモスクワを射程内に納めるミサイルと航空機を多数所持しています。緩衝地帯をつくるどころか新たな火種にならなければよいのですが。
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